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2010年07月18日

「おばあさん仮説」と港川人



           図は日本経済新聞2007(平成19年)6月17日(日)から転載
 
 メスが繁殖をやめたあとも長く生きるのは、ヒトとゾウとゴンドウクジラだけである。
 ヒトの場合、女性は、繁殖可能期間を過ぎても数十年生きていく。その理由を説明する仮説の一つに「おばあさん仮説」がある。狩猟採集をしていた頃、女性は、母親になった娘や孫のための食料採集や子育ての手伝いなど、ヘルパー的な働きがあったから長寿になったという仮説だ。少し長生きでヘルパー的な形質を持った女性の子や孫は順調に育ち、子や孫を通してその形質は広がっていき、長寿の女性の血筋ができたとも考えられる。つまり、狩猟採集の時代から、おばあさんの子や孫に対する世話は、ヒトが生命をつないでいくために重要だったというのだ。
 現在、狩猟採集をしている地域によっては、女性による食料採集によって生活が成り立っており、男性による狩猟は、あまりあてにされていない集団もある。約1万8千年前、港川人が狩猟採集をしていた頃に、おばあさんが子や孫に対する食料支援の主役だったと判断できる証拠はまだないが、オバァ(おばあさん)達の活躍の場はあったのではと想像してしまう。本当のことは、3年前に、東京から里帰りして、沖縄県立博物館・美術館に骨を埋めることになった、二人の女性(港川人3号・4号)が教えてくれるのではと密かに期待している。


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