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2010年11月18日

白保竿根田原洞穴人と2万年前の八重山ー八重山の人類史を探るー

2万年前と推定された頭骨化石(県教育庁提供)
白保竿根田原洞穴人と2万年前の八重山ー八重山の人類史を探るー     白保竿根田原洞穴人と2万年前の八重山ー八重山の人類史を探るー白保竿根田原洞穴人と2万年前の八重山ー八重山の人類史を探るー
写真と図は琉球新報平成22年2月5日(金)から転載 

 公開シンポジウム「白保竿根田原洞穴人と2万年前の八重山ー八重山の人類史を探るー」が平成22年11月13日(土) 沖縄県立博物館美術館で開催された。

 「これまで、沖縄の後期更新世人類・文化は存在しないと考えていた。年代測定も人骨からの直接年代測定ではなかったし、石器も見つからず、港川人は縄文人に含めてもよいのではと考えていたが、白保竿根田原洞穴人の発見でこの考えが覆された。」とは、沖縄県立埋蔵文化財センターの片桐千亜紀さん。石器かもしれない遺物も出土しているそうだ。

 琉球大学の土肥直美さんは「白保竿根田原洞穴発見の人骨とその意義」をまとめて
1複数体の更新世人骨
2石垣島初の無土器期人骨
3沖縄初の下田原式土器期人骨の可能性
4コラーゲンの残存良好(年代測定・mtDNA分析可能(2大学で分析中)
5生活情報が豊富(安定同位体、骨の生活痕、葬法)
6形態学的情報が豊富
7更なる分析の可能性 核DNA分析等に向けて冷凍庫で保管
 顎の骨も発見されており、港川人の顎の骨と比較可能だという。

 東京大学の米田 穣さんは、人体≒食物であり、骨のタンパク質を調べればその人が何を食べていたかがわかる。など骨の分析化学を紹介。
 
○パネルディスカションでの一言(敬称省略)
 片桐:「白保竿根田原洞穴は、骨がたくさん並んで出てきており、墓の可能性もある。洞窟が断続的に墓として使われきたと考えるほうが自然である。また、墓だから遺物も出ていないのではないか。」

 土肥:「顔のわかる骨がほしい。」

 米田:「考古学者とガチンコで議論したい。ヒトは存在自体が文化。」

 片桐:「あと10日で、白保竿根田原洞穴の調査は終了する。それまでに、旧石器と顔のわかる骨を見つけなければならないし、ガチンコ勝負もしないといけない。」(笑)


今週のひとり言:人類学と考古学のギャップは,ケラマギャップより深い。港川人
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