サキタリ洞の味
モクズガニ、カニ、カニ、カニ、すでに茹でてありました。
鍋にモクズガニとネギを投入、グツグツ煮込みます。
「サキタリ洞の味」と言われて、モクズガニが頭に浮かぶ人はいないと思う。松の内の1月7日、沖縄県立博物館・美術館主催の、澤浦亮平氏が講師を務めた体験実食学習「サキタリ洞の味」に参加した。
ワイルドな料理を想像していたが、そうではなかった。モクズガニの甲羅を外し、脚を取り、胴体を二つに割って鍋に入れ、水を加えIH ヒーターで加熱し、みそを足してモズクガニ汁が出来あがった。ネギを加えおいしくいただいた。
サキタリ洞は南城市玉泉洞の道向かいにある。サキタリ洞近隣の集落の伝承によれば、旧暦9月頃、雨が降ると上流から多数のモクズガニが川を下っできたという。夜、村人たちはたいまつを片手に洞穴に集まるモクズガニを捕まえ、一晩で麻袋をモクズガニでいっぱいにする人もいたそうである。今は川の汚染でモクズガニは食用に適さないようで、今回料理したモクズガニは兵庫県産だった。
実は、サキタリ洞の1.3〜3.5万年前の地層からは、大量のモクズガニのハサミ等が出土していたが、その理由は謎だつた。その後の研究で旧石器人が主に秋の間、捕まえたモクズガニをサキタリ洞で食べていたと考えられている。サキタリ洞を利用した旧石器人も、旬な秋のモクズガニの味を楽しんでいたようである。「サキタリ洞の味」はモクズガニの味だった。
今はケイブカフェのサキタリ洞。秋といわず、訪ねてみませんか。
サキタリ洞に興味を持った方は、拙著「サキタリ洞とその隣人たち」をご一読頂けましたら幸いです。サキタリ洞からは世界最古の釣針が発見されています。
『最古』最高!サキタリ洞
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