シロオビアゲハに乗ってダ―ウィンを越えろ

クワガタ

2019年08月03日 16:00


毒をもつベニモンアゲハに擬態したシロオビアゲハの雌

蝶は、なぜ雌だけが擬態するのか。しかも、全ての雌ではなく一部の雌だけが擬態するのか。25年程前までは、雌蝶だけが毒蝶に擬態する理由は、ダ―ウィンが唱えた「雌による性選択」(擬態雄は雌に好まれない)で説明されていた。

現在では「卵を持つ雌蝶は、鳥からの捕食圧が雄蝶より高いため、擬態にコストがかかっても、毒蝶に擬態する」と考えられている。
それでも、「なぜ一部の雌蝶だけしか擬態しないのか」の謎が残っていた。

今年2019年、この謎を琉大研究チームがシロオビアゲハを用いて解明した。古くからの仮説「擬態蝶が毒蝶に比べて増えすぎると擬態の効果が失われる(鳥が擬態蝶を襲う)ため、集団中に擬態できる蝶の割合(擬態率)に上限がある」を実証したのだ。

だが、ダ―ウィンが提唱した、「擬態した雌蝶は雄蝶に好まれないから擬態しない」とする「雄による性選択」は否定していないという。


詳しく知りたい方は、琉球大学HP「シロオビアゲハが毒蝶を真似するときの条件 ~擬態の進化学的パラドクスを解明~」をお読みください。

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