2012年11月11日
大山盛保生誕100年記念特別シンポジウム
基調講演後の質疑応答。左から松岡廣繁さん(京都大学大学院理学研究科 地質学鉱物学教室)、大城逸朗さん(おきなわ石の会 会長)、山崎 真治さん(沖縄県立博物館・美術館 主任)、馬場悠男さん(国立科学博物館 名誉研究員)
大山盛保生誕100年記念特別シンポジウム「港川人研究と2万年前の沖縄」が、平成
24年11月3日(土)八重瀬町立中央公民館において開催された。
【基調講演】
山崎 真治(沖縄県立博物館・美術館 主任)「サキタリ洞遺跡の発掘調査と沖縄の
旧石器時代」
自然に割れた石は、石目に沿って不規則に割れ、貝殻状断口(扇形をした二枚貝のよ
うな割口)は見られない。
人為的に割れた石には、貝殻状断口(扇形をした二枚貝のような割口)が見られる。
上:サキタリ洞の石英片の打撃点の割れ口には、ガラス状の光沢が見られ、打撃点
から放射線状に力が力加わって割れており、貝殻状断口(扇形をした二枚貝のよう
な割口)となっている。
下(左):自然破裂石の割れ口には、ガラス状の光沢が見られず、貝殻状断口に
もなっていない。
下(右):人工的石片の打撃点の割れ口には、ガラス状の光沢が見られ、打撃点
から放射線状に力が力が加わって割れており、貝殻状断口となっている。
ついに、沖縄で確かな旧石器が発見された。
これは、大山盛保さんの港川人発見に次ぐ発見と言えるかも知れない。
このサキタリ洞の1.2万年前の石英石器と人骨の発見は、沖縄の旧石器文化の存在を確実なものにするとともに、港川人(1.8万年前)と沖縄の縄文時代(6~7千年前)の空白を埋めることにつながる。
港川人が沖縄の縄文人には繋がることはなかったとする「港川人絶滅説」(高宮広土)へ疑問を投げかける可能性もでてきた。
サキタリ洞にはさらに古い地層があり、山崎さん達のGAP(Gangala Archaco-Anthropology project) のさらなる活躍から目が離せない。

Posted by クワガタ at 15:28│Comments(0)
│サキタリ洞