てぃーだブログ › ハイサイ人類学 › 沖縄県立博物館・美術館 › 伊波貝塚 › 伊波貝塚で思わぬ発見-沖縄の先史遺跡をたどる

2019年01月26日

伊波貝塚で思わぬ発見-沖縄の先史遺跡をたどる

遺跡見学ツアー「沖縄の先史遺跡をたどる」(2020年1月19日(土)沖縄県立博物館・美術館主催)

北谷町教育委員会の山城安生さんから、北谷町文化財展示室において参加者を2グループにわけて、展示説明があった。
伊波貝塚で思わぬ発見-沖縄の先史遺跡をたどる
【平安山原(はんざんばる)B遺跡から出土した亀ケ岡式土器の破片】

平安山原(はんざんばる)B遺跡から出土している亀ケ岡式土器は、中部・北陸地方の人が西日本の土を用いて同地で作成したらしい。この土器が北谷町から出土したことにより、これまで奄美地方が南限とされていた亀ケ岡文化が、2000キロ以上離れた沖縄島まで影響していることが分かっている。
2010に国指定史跡に指定されている北谷町の伊礼原遺跡は、うーちぬかーの湧き水で縄文時代からグスク時代までの約7000年間の人々の生活跡がみられる貴重な地域であり、遺跡近くに町立博物館が建設予定されている。
バスで北谷町を巡りながら、北谷町が町村別で全国1位(地域元気指数調査2018)に輝いたことも分かるような気がした。

うるま市教育委員会の横尾昌樹さんから、仲原遺跡と伊波貝塚において解説があった。
仲原遺跡の竪穴住居の復元では、屋根は伊計島自生のチガヤを使い、アダンの根を材料にした縄でしばってある。
住居の骨組みは、ナットで止めている。(台風対策でしょうか)
県博の山崎さんからは、東北地方の竪穴式住居の屋根は保温のため土がかぶされていることを教えてもらった。
伊波貝塚で思わぬ発見-沖縄の先史遺跡をたどる
伊波貝塚で思わぬ発見-沖縄の先史遺跡をたどる
伊波貝塚で思わぬ発見-沖縄の先史遺跡をたどる
    【復元された竪穴住居】
伊波貝塚で思わぬ発見-沖縄の先史遺跡をたどる
 【復元された竪穴住居の内部の様子】 ハブを恐れ、誰も中には入らなかった。

伊波貝塚は、金武湾を見渡せる伊波丘陵にあるが、民家の畑の中を通らないと行けない。
参加者40人は、一列になって畑と畑の間のブロックの上を進み、年配者には気になる段差をクリヤし、伊波貝塚に到着。
そこだけ開けて、足元には貝殻が地面中散乱していた。
ここは、もとは海なのか?と思わずもらしたご婦人もいた。ここは貝塚ですとばかりに、県博の山崎さんは、そこらから拾ってきた貝製品を披露していた。私も探したが見つからなかった。
伊波貝塚周辺では、まだ住居跡は見つかっていないそうだ。この日のために、草刈りをしてくださった、関係者の皆様に感謝してツアー報告は終わる。
伊波貝塚で思わぬ発見-沖縄の先史遺跡をたどる
伊波貝塚で思わぬ発見-沖縄の先史遺跡をたどる
    【伊波貝塚が見えてきた】
伊波貝塚で思わぬ発見-沖縄の先史遺跡をたどる
    【草が刈られた伊波貝塚】
伊波貝塚で思わぬ発見-沖縄の先史遺跡をたどる
    【貝殻に覆われた地面】
伊波貝塚で思わぬ発見-沖縄の先史遺跡をたどる
県博の山崎さんが拾った貝製品、沖縄県立博物館・美術館に展示されている下の写真の貝製品とそっくり。もちろん置いてきました。
伊波貝塚で思わぬ発見-沖縄の先史遺跡をたどる
考古学の巨人と言われるがルイス・ビンフォードが、伊波貝塚から見つけ、沖縄県立博物館・美術館に展示されている貝製品

追 伸
サキタリ洞(南城市、玉泉洞の道向い)から教科書に載るような発見が相次いでいま
す。

国内最古の「石器と人骨のセット」出土 2011年                              

世界最古の「釣り針」出土  2012年

国内最古の「貝器」出土   2014年

国内最古の「埋葬人骨」出土 2014年

国内最古の「赤い顔料で着色されたビーズ」確認 2021年

サキタリ洞への関心が再び高まっています。興味のある方は、ぜひ「サキタリ洞とその隣人たちー港川人はサキタリ洞に来たのかー」をご一読ください。

最後までお読みの方は、もれなく、「日本最古の顔」にご対面いただけます。 

 『最』最!サキタリ

ジュンク堂(2階沖縄関係書)、球陽堂など有名書店、沖縄県立博物館・美術館【ミュージアムショップ「ゆいむい」】で好評発売中!ネットでもお買い求めいただけます。
⬆クリックしてください。
新星出版 600円+税(チープで、ディープです。)
       伊波貝塚で思わぬ発見-沖縄の先史遺跡をたどる




同じカテゴリー(沖縄県立博物館・美術館)の記事
沖縄と縄文文化 
沖縄と縄文文化 (2018-12-16 15:10)


 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。