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2021年07月11日

島だからこその着想

島だからこその着想
「奇跡の島々の先史学―琉球列島先史・原史時代の島嶼文明―」(高宮広土著)


 港川人や琉球王国が「世界的に大変稀な文化現象」と言われてもピンとこないと思います。
「奇跡の島々の先史学―琉球列島先史・原史時代の島嶼文明―」(高宮広土著)によれば、「琉球列島のように旧石器時代にヒトがいた島」、「狩猟採集の社会から王国が成立した島」は、世界的に珍しいというのです。
 琉球列島のように多数の旧石器人骨が出土している島はないようですが、島だから海上交易により琉球王国は誕生したとも考えられます。
 琉球列島の「世界的に大変稀な文化現象」は、前述の二つの外にSDGsを連想させる「自然と調和していたかも知れない島」など四つ紹介されています。詳しくは本著をお読みください。
 島の遺跡に光をあて構築された琉球列島史に、著者が語る「島嶼文明」を発見するかもしれない一冊です。
 ところで、「港川人の遺伝情報を調べることに初めて成功」のニュースが飛び込んで来ました。今後の研究の進展に関心が高まりそうです。

追伸
 東邦大学などの研究チームによる古人骨のミトコンドリアDNAの分析で、旧石器時代の沖縄にいた港川人が、現代日本人の直接の祖先でないことがわかった。と新聞報道されました。
 実は、港川人絶滅説(港川人は現代日本人には繋がらなかった)は1996年には高宮広人が提唱していました。
 詳しくは、拙著「サキタリ洞とその隣人たちー港川人はサキタリ洞に来たのかー」をお読み頂けましたら幸いに存じます。

 『最』最!サキタリ

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Posted by クワガタ at 17:02│Comments(0)本の紹介
 
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