《土肥直美の沖縄骨語り(20)琉球新報2013/12/25から抜粋(一部加筆)》
沖縄諸島の
縄文人(貝塚時代人)は、北からやってきた本土縄文人なのだろうか。南からやってきたと思われる
旧石器時代人(港川人など)の子孫たちはどうなったのだろうか。既に絶滅していたのだろうか。
生存競争に負けて駆逐されたのだろうか。確かたる証拠があるわけではないが、両者は共存し、次第に混じり合い、沖縄の貝塚文化を作っていったと考えたいところである。
写真2は頭骨を時代順に並べたものである。やはり、浦添ようどれ
(グスク時代人)の特異な風貌が目を引く。
1
旧石器時代人
2
縄文時代人(貝塚時代人)
3
グスク時代人
4
近世・現代人
人骨から見えてきた沖縄人の成り立ちはそれほど単純なものではなかった(図1)。
おそらく、琉球列島へのヒトの波は一度や二度ではなく、北からも南からも繰り返し
やってきたのではないだろうか。
資源の乏しい環境で3万年以上もヒトがくらし続けた島は世界的にもめずらしいと言われる。
各時代の人骨がこれほどまとまって残されている地域も少ないと思う。
今後とも人類史研究のフィールドとして沖縄は注目され続けていくに違いない。
琉球新報で連載された「土肥直美の沖縄骨語り」も最終回となった。この連載が出版されることを期待するのは、私だけではないと思う。
その際は、土肥直美先生の著書『(初版)沖縄人はどこから来たか』(ボーダーインク)の「人間の骨格案内」(改訂版で省略)を挿入してもらいたい。
人骨入門に最適だ。
「骨格から性格がわかる!?」(誰が言ったか忘れた。)
※骨から性別を判断できることに関心のある方は、下のタグの骨盤をクリックしてこのブログの「骨の科学」へどうぞ。
追 伸
教科書に載るような発見の相次ぐサキタリ洞のこと、どのぐらいご存知ですか。
国内最古の「石器と人骨のセット」出土 2011年
世界最古の「釣り針」出土 2012年
国内最古の「貝器」出土 2014年
国内最古の「埋葬人骨」出土 2014年
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