2011年06月25日
二足歩行が一夫一妻を誕生させた

ヒトの証でもある直立二足歩行は、メスに気に入られようとオスが食物をメスに運ぶことから始まった。
「二足歩行が一夫一妻を誕生させた」説を唱えているのが、アメリカのケント州立大学のオーウェン・ラブジョイ氏だ。
現生する類人猿のオスは、繁殖期になるとほかのオスと戦って排卵期のメスを奪い合う。ヒトの祖先も同じ行動をとっていたと予測できる。
その場合、勝者となって排卵期を迎えたメスとできるだけ多く交尾し子孫を増やせるのは、鋭く尖った大きな犬歯を持つたくましいオスである。
では犬歯が貧弱な劣勢のオスたちはどうしていたのだろうか。
彼らは、エサをプレゼントすることで排卵期のメスを誘惑していたのかもしれない。現生のチンパンジーでも同様の行為が観察されることがあり、サルの仲間であるコロブスの肉をオスが差し出し、その見返りとしてメスが交尾に応じる場合がある。
二足歩行で行動すれば手を自由に使って多くの果実やイモ類を持ち帰ることが可能となり、はるかに多くのプレゼントをメスに捧げることができたはずだ。メスの方も犬歯が小さくても安定的にエサを運んでくれるオスを好むようになっただろう。
安定的にエサを調達できる二足歩行が有利であり、交尾とエサの提供の1対1関係が成立するようになると一夫一妻が誕生した。(ナショナルジオグラフィック2009.10.1抜粋)
現生人類のオスがメスに気に入られようとプレゼントを運ぶ姿は今も変わらないし、それを利用するメスも同じだ。

Posted by クワガタ at 15:52│Comments(0)
│直立二足歩行