科学的な骨の話ー「骨の科学展」関連シンポジウム

クワガタ

2011年02月21日 20:40



左:シンポジウムで質問に答える琉球大学の深瀬均さん 右:鳥取大学の江田真毅さん

科学的な骨の話ー「骨の科学展」関連シンポジウムーが平成23年2月19(土)に沖縄県立博物館・美術館で開催された。

①山崎剛史(山階鳥類研究所)「骨から探る島の鳥の謎-カラス骨格の島間変異」
 西表島と波照間島は20数キロしか離れていないが、農耕地の多い波照間島のオサハシブトカラスと森林の多い西表島のオサハシブトカラスを比較すると、波照間島のオサハシブトカラスの目は左右に離れて、くちばしも長く曲がりも大きい。これは、波照間島のオサハシブトカラスが畑地で土に嘴を差し込んで餌を採取することが多いためと考えられる。(黒島でも波照間島と同様な現象が見られる)

②江田真毅(鳥取大学)「骨と生体を結ぶ-アホウドリ研究の事例紹介」 
 日本のアホウドリは、2種に分類できるかもしれない。   

③深瀬均(琉球大学)「見えないものを見る-CTを使った骨の研究」
 骨をCT画像を使って調べると、骨を壊すことなく骨の内部構造がわかる。
 ヒトの大人の顎の形は、ある程度遺伝的に決まっており、成長期間の咀嚼環境だけでは説明できない。

 CTを使った港川人と本土縄文人の顎の骨の比較から、両者は似ていないことがわかってきた(このブログの「港川人の顔が変わった1・2」参照)。八重山の白保竿根田原遺跡で最近発見された顎の骨のCTによる分析が待たれる。

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