2011年10月08日
「先史時代の沖縄」 さまよえる港川人その2
安里嗣淳著「先史時代の沖縄」(第一書房)
港川人の抜歯:抜歯の風習は、縄文時代中期(4,000年前)以降に多い。
「考古学では、物証がなければ証明できたといえない。自分は、ことごとく否定するので人類学の立場と違って、話題になりにくい。」 元沖縄県立埋蔵文化財センター所長の安里嗣淳さんとの電話での話だ。
安里嗣淳さんの最新の著書「先史時代の沖縄」(第一書房)でも、「考古学的には港川人は石器などの人口品をともなっていないことから、その文化内容、文化段階は不明である。
一応周辺の炭化物から約1万8千年という年代値が出てはいるが、人骨そのものは形質人類学的には後期旧石器時代人にも新石器時代人にもあてはまる範囲にあるというのである。したがって、研究の進展よっては、実は港川人は縄文人だったということもあり得ると考えるべきではないか。」
