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2016年09月29日

世界最古の釣針が出た!サキタリ洞

世界最古の釣針が出た!サキタリ洞
【2万3千年前の世界最古の釣り針】 アメリカ国立科学アカデミー紀要(PNAS)オンライン版(写真一部加工)

  釣り針の大きさは約1.4㎝。ニシキウズ科の巻貝の底部を割り、先端が徐々に細
くなるようにとがらせており、砂岩で磨かれているようだ。

世界最古の釣針が出た!サキタリ洞
     【サキタリ洞の入口】  
 ケイブカフェでジャズを聴きながら、世界最古の釣り針が出土した発掘調査区1が眺められる。

世界最古の釣針が出た!サキタリ洞
【世界最古の釣り針が出土した発掘調査区1】
 ちょっと見上げてみると、鍾乳石が・・・。ここから先は、ガイドツァーに参加してみて。

世界最古の釣針が出た!サキタリ洞
【世界最古の釣り針が出土した発掘調査区1】
 サキタリ洞は、巨大タイムカプセル。

 今度は、2万3千年前の世界最古の釣り針が出た。
 この世界最古の釣り針の発見の意義はいくつか上げられているが、次のことに注目
したい。
 「旧石器時代において、沖縄本島のような小さな島には、食料となる陸の動物資源が乏しいため、旧石器人は長期間存続することはできなかったとする説が否定され、釣り針を使った漁労生活などにより3万5千年から1万4千年の約2万年間、旧石器人は存続したことが証明された。」

沖縄の旧石器人は、釣りでも生活の糧を得ていたのだ。

 港川人は、沖縄本島のような小さな島では、食料となる陸の動物資源が乏しいため、長期間存続することはできなかったとする「港川人絶滅説」の提唱者である鹿児島大学の高宮広土に、この釣り針発見へのコメントが聴きたいところだ。

 しかし、高宮は自身の著書「島の先史学」(2005)において「私は今回発表した仮説を今後『証明』するために仕事をするのではなく、否定されるために続けたいと思います。勇気のいることですが、提唱した仮説は否定されてもかまいませんし、むしろ否定されることを望みます。沖縄先史学のプラスになるのですから」と述べている。

追 伸 

教科書に載るような発見の相次ぐサキタリ洞(南城市、玉泉洞の道向い)のこと、どのぐらいご存知ですか。

国内最古の「石器と人骨のセット」出土     2011年

世界最古の「釣り針」出土 2012年

国内最古の「貝器」出土 2014年

国内最古の「埋葬人骨」出土 2014年

2018年ハイサイ人類学が、本「サキタリ洞とその隣人たちー港川人はサキタリ洞に来たのかー」になりました。
(「世界最古の釣針が出た!」は、p31に収録しています。)

サキタリ洞に関心のある方は、ぜひお読みください。

最後までお読みの方は、もれなく、「日本最古の顔」にご対面いただけます。 

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     世界最古の釣針が出た!サキタリ洞





 










世界最古の釣針が出た!サキタリ洞
【左:以前の港川人復元模型は、右手にヤンバルクイナを持っている。】
【右:現在の港川人復元模型は、右手にオオウナギ、左手にモズクガ二を持っている。】

サキタリ洞の動物遺骸の研究成果により、港川人復元模型の持つ獲物が変更された

のだ。

 いちばん多く見つかっているのは、1万点はくだらない数のモクズガニであり、旬の

時期に食べられていたようだ。

 また、サキタリ洞で見つかる魚骨で、いちばん多いのはウナギ属(おそらくオオウ

ナギ)で、アイゴ属やブダイ科など海の魚も少し混ざっていた。どうやら、主に川でウ

ナギを釣り、時に海でも魚を釣っていたようだ。
   
(旧石器研究最前線〈17〉驚きのサキタリ洞 藤田 祐樹、琉球新報 2016、10、12)



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Posted by クワガタ at 22:24│Comments(0)サキタリ洞悟空会
 
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