2010年12月18日
骨から言葉がわかる

頭蓋骨模型 写真はここから転載
図1 ヒトとサルの脳蓋底の違い(馬場悠男著「ホモ・サピエンスはどこからきたか」より一部改変)
ヒトの骨は、全体で200個ある。そのうち、頭蓋骨だけで23個。
化石になっても頭蓋骨は、多くの情報を与えてくれる。
化石頭蓋骨から、言葉を話せる喉の構造をもっていたかが、ある程度わかる。
喉の構造が、現代人に近づく程、頭蓋底(脳を入れる箱である頭蓋骨の床に相当)が大きく曲がっていく傾向がある。
猿人類の頭蓋底は、ほとんど平らだが、進化に伴って鉛直に曲がってきた。(図1)
頭蓋底が鉛直に曲がることと気管の入口(喉頭)が下がり、発声に必要な空間(咽頭)が広がることは、関連している。
この咽頭で音を共鳴させて、多様な音を作り出し、言葉を話すことができる。
つまり、 頭蓋底の湾曲の程度から、どのくらい明瞭が発声ができたかがわかる。
頭蓋骨は私たちに話しかけてくる。
追記:頭蓋底が鉛直に曲がることと発声に必要な空間(咽頭)が広がることは、関連していないという反論もある。

追伸
教科書に載るような発見の相次ぐサキタリ洞(南城市、玉泉洞の道向い)のこと、どのぐらいご存知ですか。
国内最古の「石器と人骨のセット」出土 2011年
世界最古の「釣り針」出土 2012年
国内最古の「貝器」出土 2014年
国内最古の「埋葬人骨」出土 2014年
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