2016年06月27日
首里城正殿は巨大琉球漆器!
【首里城正殿】
「首里城正殿は、巨大琉球漆器だ!」
このシンポジウムでの講話で、一番印象に残った言葉だ。
首里城正殿を見事に表現していると感じた。
1992年当時、復元された首里城正殿の外壁は、漆塗装されていたが、紫外線の強い沖縄に適した琉球の伝統技法でなく、本土仕様だった。そのため、塗装が脱落、剥離した。
それを防ぐため、2006年から始まった首里城正殿の新た漆塗装は、琉球王国時代の琉球漆工の技法によって始まった。
この技法は、琉球王府の漆塗りなどを担当した「貝摺奉行所」の「貝摺奉行所文書」を参考にしたと言う。
つまり、現在の首里城正殿は、琉球漆工の基本行程で塗り直した、巨大な琉球漆器だ。
今回のシンポジウムで、首里城正殿が、桐油(きりあぶら:アブラギリの種子からとった
乾性油)と弁柄(べんがら:顔料の一種で朱い色を発色)を混ぜた塗料で塗られていること、塗装行程が27工程もあることを知ることができた。
今度から、首里城正殿の見方が変わってくるに違いない。
【首里城構造物の漆塗装に関するシンポジウム平成28年5月22日(日) 主催:一般財団法人沖縄美らしま財団】
追 伸
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Posted by クワガタ at 20:09│Comments(0)
│首里城とその周辺