2011年11月19日
第65回日本人類学会大会 その2
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第65回日本人類学会大会の初日11月4日(金)に、土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアムの松下真実さんによる「摩文仁ハンタ原遺跡から沖縄の縄文人と縄文文化を考える 沖縄の縄文人は本土の縄文人とどこがちがうか」の発表があった。
今回の発表の中で、一番注目していたその発表内容が11月8日・9日の琉球新報「縄文人の起源 探る 摩文仁ハンタ原遺跡の人骨 <上・下> 松下孝幸」で紙面に掲載された。
○本土の縄文人とどこが違うか。
ハンタ原縄文人は本土の縄文人と比べで、
・男女とも頭型は、短頭型(頭を上から見た形が円に近い)で、頭蓋が小さいく顔も小さい。
・男女とも風習的抜歯が見られない、頸骨が扁平でない。
・女性の身長が著しく低い。
・男性に身長が著しく高い例(推測身長168センチ)がある。(男性縄文人の平均身長158センチ程度)
○残された課題と新たな謎
・「沖縄の縄文人と本土の縄文人の関係性」や「沖縄の縄文人と港川人などの旧石器人骨との連続性の有無」を解明するには、縄文後期のハンタ原縄文人からだけでは困難であり、沖縄の縄文前期の人骨の発見が重要である。
・推測身長168センチの長身で巨大尺骨(約28センチ)の持ち主の出自の解明が待たれる。

Posted by クワガタ at 14:26│Comments(0)
│人類学会